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平成29年度横須賀・三浦ブロック老人クラブ連合会事業
 ゆめクラブ大学
於 神奈川県立保健福祉大学
1日目 10月19日(木)
希望する生活と地域支援事業の関係神奈川県立保健福祉大学 大島 憲子 准教授
日本の高齢者の現状 要介護認定者数の伸び 平成15年 9,859人 → 平成26年 20,035人
11年で約2倍
高齢者を取り巻く状況
2025年には
団塊の世代が75歳以上となり、
3人に1人が65歳以上となり、
5人に1人が75歳以上となる
医療・介護サービスの提供体制が
 今のままでは十分対応できない
地域支援事業の全体像 地域支援事業の目的
 1)被保険者が要介護状態等になることを予防する
 2)要介護状態になった場合においても可能な限り地域において自立した生活を
 営むことができるように支援すること
介護予防・生活支援サービス事業 どんなことをするの?
  介護予防訪問サービス
  介護予防通所介護相当サービス
  訪問型短期集中予防サービス
一般介護予防事業  どんなことをするの?
  (対象者)
  65歳以上のすべての高齢者
  (サービスの内容)
  @介護予防把握事業    A介護予防普及啓発事業
  B地域介護予防活動支援事業 C地域リハビリ活動支援事業
希望する生活と地域支援事業   人と交わって認知症を予防につなげる
 脳を活性化して認知症を予防する
 人とのつながりで予防する 
 人との触れ合いの少ない人はアルツハイマー型認知症になりやすい
 大いに笑うことは 身体にも、脳にも良い
 余暇生活から予防する
 余暇を楽しむ人は、認知症になりにくい
 認知症になりやすい人 
  ・年齢の高い人
  ・生活習慣病のある人
  ・血圧や血糖が高いのをそのままにしている人
  ・タバコを吸う人
  ・魚を貯めない人 ・野菜や果物が少ない人
  ・運動しない人  ・趣味の少ない人
  ・人との触れ合いの少ない人
 認知症予防のポイント 
  ・脳のネットワークを増やす
  ・脳細胞のつながりをよくする
  ・脳の情報の伝わりをよくする 
  ・認知症の変化を増えにくくする
  ・脳に新しい細胞(新生細胞)を増やす
  ・脳を活性化して楽しく予防する
  ・豊かに生き生き毎日を過ごす
介護保険と年金神奈川県立保健福祉大学 西村 淳 教授
介護保険サービスの体系
訪問系サービス(例)ホームヘルパーが
1時間程度、身体介護を行う場合
→1時間:4,020円(利用者負担額:402円)
通所系サービス(例)通所介護(ディサービス)で
日中お預かりする場合
→要介護3の方:9,370円(利用者負担額:937円)
短期滞在系サービス(例)短期入所生活介護(ショートスティ)で
1日お預かりする場合
→要介護3の方:8,220円(利用者負担額:822円)
居住系サービス(例)特定施設(有料老人ホーム等)に入所する場合
→要介護3の方:1日当たり7,000円(利用者負担額:700円)
入所系サービス(例)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に
入所する場合
要介護3の方:1日当たり8,020円(利用者負担額:802円)
利用者負担額は目安です。
お住いの市町村やお使いになる事業所によって異なります。
地域包括ケアシステムの構築について
〇団塊の世代が75歳以上になる2050年を目処に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で
 自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が
 包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築の実現。
〇今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、
 地域包括ケアシステムの構築が重要。
〇人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は
 減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差。
〇地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、
 地域の特性に応じて作り上げていくことが必要。
介護予防・日常生活支援ー生活支援サービスと社会参加
〇単身世帯数が増加し、支援を必要とする軽度の高齢者が増加する中、生活支援の必要性が増加。
 ボランティア、NPO、民間企業、協同組合等多様な主体が生活支援サービスを提供することが必要。
〇高齢者の介護予防が求められているが、社会参加・社会的役割を持つことが生きがいや介護予防につながる。
〇多様な生活支援サービスが利用できるような地域づくりを市町村が支援することについて、
 制度的な位置づけの強化を図る。
高齢期の「こころ」と「からだ」の健康づくり神奈川県立保健福祉大学 織井 優貴子 教授
三浦半島地区市町村高齢化率の推移   三浦半島地区の高齢者
    ( )は一人暮らし
「高齢者世帯数の割合」
  (注)率は、総世帯数に占める高齢者世帯数の割合
区 分2005(平成17)年2010(平成22)年
世帯数世帯数
三浦半島地区
(単身者世帯)
111,991
(25,449)
39.7%
(22.7%)
127,142
(31,807)
43.8%
(25.0%)
神奈川県
(単身者世帯)
1,007,366
(226,119)
28.4%
(22.4%)
1,209,217
(308,463)
31.6%
(25.5%)
高齢者が住み慣れた地域で  
 暮らせるしくみづくり
□高齢者世帯・単身(ひとり暮らし)高齢者
□身体機能の低下した高齢者・認知症高齢者等が
 増加、医療と介護の連携強化、人材確保、資質向上
□在宅医療の支援体制の充実など
生涯を通じた健康づくり
健康とは □単に疾病がないとか虚弱でないだけでなく
身体的にも、精神的にも、社会的にも
良好な状態であることをいう
高齢になると
からだの変化こころの変化
  • 皺の増加など外観が変化する
  • 耳が遠くなる
  • 視力が低下する
  • 噛む力、飲み込む力が低下する
  • 肺・呼吸器系が弱まる
  • 心臓・血管が弱まる
  • 骨折しやすくなる
  • 腎・泌尿器系が弱まる
  • 忘れっぽくなる
  • やる気を失う
  • 仔細なことにこだわる
  • 落ち込みやすくなる
  • 神経が過敏になる
  • 感情のコントロールが難しくなる
高齢者の心の特徴
1.頑固になる
  自分がこれまで長年生きてきた上で、会得して
 きたもの(主義・主張)を押し通したい
2.主義・主張を通すことで、自分の存在意義を
 認めてもらいたい
3.利己的になる・・・自分の利益だけを追求しようとする
  ・・・欲張り
4.愚痴っぽくなる
  言っても仕方がないことを嘆く
  =後悔の念
5.疑い深くなる・・・保守的になり、自分の殻にこもる
6.いらいらしやすくなる
  自分の体が思うように動かない、思い通りにならない
7.不安を感じやす
 金銭的な不安、一人になることへの不安
8.疎外感を感じやすい
 仲間がない、頼る人がいない
9.無気力になりやすい
  仕事一筋・・・   退職等によるやりがいを失う
「こころ」と「からだ」の健康づくり
1.規則正しい生活
 十分な睡眠 少しでも疲れたら、休養をとる
 「寝付きがわるい」「眠りが浅い」
  →心療内科や精神科の専門医に相談する
2.食生活に気を配る
 毎日の食生活が、病気の発症を予防する
 食事が、治療に役立つ
  ・・・糖尿病、高血圧、動脈硬化、骨粗鬆症
3.軽い運動の習慣を取り入れる
 テレビ体操、30分程度の散歩、プールで歩く
4.からだの不調に早く気づく
 何かいつもと違う、だるい、気分がわるい
 ・・・何らかの病気のサインかもしれない
 我慢せずにかかりつけ医に相談する。
5.こころの不調に早く気づく
 眠れない、寝付けない、疲れやすい、食欲不振
 不眠(早朝に目覚める)、頭痛、肩こり、腰痛

□絶えず脳を刺激する。
□新聞や本を読む習慣はできる限り続ける。
□ラジオやテレビのニュース番組を聞く、見るなどして時間、曜日を意識する。
□手足を使う、何かの作業をする。新聞をたたむなど。
□趣味や生きがいを見つける、それぞれが置かれた環境や立場を考えながら、
出来ることを続ける。

2日目 10月26日(木)
地域で見守る「食生活とフレイル」神奈川県立保健福祉大学 高田 健人 助教
ご存知ですか?「フレイル」について   フレイルとは 年を取ることで進む 様々な不調(体・心・社会)になりやすくなること
「食生活とフレイル」の関係について フレイルの始まり!気を付けたい低栄養
★この2つに該当→低栄養のおそれ
 〇体重急減:6か月間に2〜3kg減
 〇やせすぎ:BMI 18.5kg/u未満
定期的に体重をはかりましょう!
「お肉もしっかり食べましょう」⇒高齢者のフレイル予防
フレイル予防
「こころ」・「社会」も食生活から
・毎日楽しい気持ちで食べる。
・家族や友人との食事を楽しむ。
・食べたいものを買いに行く。
いつまでも自分の「やりたい!」を目標にする。
「食生活とフレイル」を地域で見守る
「食生活とフレイル」を見守る
・自分で見守る今日も食欲はあるかな
・家族で見守るいつもより食べられてない?
・ご近所で見守る ちょっとやせてきたんじゃない?
・地域で見守る最近あの人見かけないな
一人一人が地域の目になる 支えになる
ちょこっともれの原因と体操神奈川県立保健福祉大学 高木 峰子 准教授
正しい排尿機能
1日の排尿回数 日中7回 夜間0(1)回
1回の排尿量 150-200ml以上
1日の尿量
成人の尿量:1200-1500ml(女性<男性)
1日の尿量が500ml以下は乏尿
1日の尿量が3000ml以上は多尿
適切な飲水量1リットルと少し
高齢者に多い症状 ・尿勢低下 ・残尿感 ・膀胱痛 ・尿意切迫感 ・切迫性尿失禁 ・頻尿(日中・夜間)
排尿のリズムと加齢
・成人における1日の排尿量は加齢による大きな変化はない。
・加齢による変化は、排尿量の時間分布である。
 日中に行くか、夜にいくか。 午前中が正常
尿失禁の分類
腹圧性症状力むなど腹圧がかかった際に不随意に尿がもれる
原因加齢、肥満などによる骨盤底筋の脆弱化
切迫性症状トイレに行きたいと思ったとたんに強い尿意
原因膀胱炎や結石による膀胱が過敏な状態
脳損傷による抑制不全
盛流性症状膀胱に尿が充満し、少量ずつ尿がもれる
原因DMや前立腺肥大などによる下部尿路の閉塞
機能性症状尿の貯留、排泄に問題なし トイレ移動が間に合わない
トイレの場所や使用方法が分からない
原因身体運動(トイレ移動や脱衣動作など)障害や認知機能低下
男性に出やすい症状と
その理由
・頻尿 ・過活動膀胱(切迫性尿失禁) ・排尿後尿滴下
根本的には、前立腺に対するアプローチが必要
女性に出やすい症状と
その理由
・腹圧性尿失禁 ・過活動膀胱(切迫性尿失禁)
骨盤底筋体操の効果と時期 ・骨盤底筋を直接強化 ・自律神経のバランスに効果 ・膀胱への血行改善
 2〜3月ケ月経過すると効果を感じるため、
 継続的な体操が求められる
コグニサイズ
運動しながら、脳を刺激する
県老連 松田 冴子氏

前年度(平成28年)ゆめクラブ大学

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