この度は、本研究にご協力いただきまして、大変ありがとうございました。
皆様のお陰で、研究をまとめることができました。ご報告が遅くなりましたが、
調査結果の概要をご報告させて頂きます。
１．対象者の概要
　対象者は、逗子市高齢者センターの地区定例会に参加した高齢者325人で、
男性78人(24%)、女性247人(76%)、平均年齢は79.19±6.0歳でした。
２．食生活調査の結果
　食生活調査において、特に問題を抱える者が多かった項目
（１）「1日に何回野菜や果物を食べるか」という質問に対して、
      「4回以上」摂れていると答えた人が59名(18.2%)、
      「3回」は172名(52.9%)で、約半数の人が１食に１回程度の摂取と、
       野菜・果物の摂取が不十分な人が多かった。
       一方、「2回以下」は91名(28.0%)で、明らかに摂取不足である人も
       すくなくありませんでした。
（２）「肉・魚・卵・大豆製品をどのくらいの頻度で食べるか」という
       質問に対して、
      「1日2回以上」と答えた人は162名(49.8%)であったのに対し、
      「1日1回」が77名(23.7%)で、たんぱく質源の摂取が不十分である
       可能性が伺えました。
       また、「1週間に5〜6回以下」は73名(22.4%)存在しており、
       明らかに摂取不足である人の割合も少なくない状況でした。
（３）「食べ物が噛みにくいと感じることがあるか」という質問に対して、
      「全くない」と答えた人が174名(53.5%)であったのに対し、
      「時々ある」が112名(34.5%)、「しばしばある」が21名(6.5%)、
      「いつもある」が12名(3.7%)で、
       咀嚼に困難を抱える人は約4.5割いました。
（４）「栄養補助食品を利用しているか（錠剤のサプリメントではなく、
       高カロリー流動食”エンシュア”など」という質問に対して、
      「全く利用していない」と答えた人は219名(67.4%)であったのに対し、
      「時々利用する」が60名(18.5%)、「いつも利用する」が34名(10.5%)で、
       約3割の人が何らかの栄養補助食品を利用する状況でした。
（５）「自分で調理する場合、困難を感じることがあるか」という質問に対して、
      「全くない」「自分で調理する必要がない」と答えた人は
       合わせて196名(60.3%)であったのに対し、
      「時々ある」が92名(28.3%)、「いつもある」が30名(9.2%)存在し、
       約4割もの人が調理に困難を抱えていました。
（６）「自分で買い物に行く場合、困難を感じることがあるか」という質問に対して、
      「全くない」「自分で買い物に行く必要がない」と答えた人は
       合わせて189名(58.2%)であったのに対し、
      「時々ある」が名、「いつもある」が30名(9.2%)存在し、
       約4割もの人が買い物に困難を抱えていました。
３．調査のまとめ
　食事回数や食事制限、食欲、体重変化などについては良好である（問題のない）
人が多かったが、野菜・果物やたんぱく質食品の摂取が少ない人は多く、高齢者に
必要な食事量や食事バランスについての食事アドバイスが必要であることが分かり
ました。また、調理や買い物に困難を抱える人も多く、食調達面でのサポートも
必要であると考えました。